さて、つくばマラソンのレポ 。
本日は、レース編をお届けします。
ちょっと長いですけど、ゴールまでいきます。お付き合いください!
レース前日からスタート前の 記事はこちら。
kenchan-run.hatenablog.com
まず、最初に、レース前に立てた目標はというと。
3 時間 5分 切り です。
petaさんの 計算機で シュミレーションしたのはこんな感じでした。
10kmまではちょいと抑え目で、そっからは ひたすら 4’22 /km で巡航するという計画でした。
0~5km ( 22:04)
スタート時はしっかりめの雨。
濡れるのがイヤなので、カッパは脱がずにそのまま走り始めることにしました。
僕のA2ブロックは、混雑はすごかったですが、「渋滞」でペースを上げられない というほどでもなかったです。
いちおう想定通りのペースで走り始めることができました。
それにしても、道路の水たまりがひどい。
しかも、混雑していて見通しが悪いため、そいつは急に出現します。
これを慌てて旋回して避けたり、飛び越えたり。
また、自分は水たまりを避けても、他のランナーがバッシャバッシャ水をかけてくるので、シューズがジワジワと濡れてきます。
こんな水たまり対応のせいで、序盤から無駄に足を使ってしまいましたよね。
これがよくなかった。
水たまりなど避けずにバシャバシャ行けばよかったのかなぁ?
一方、雨はあまり気にならなくなってきました。
3,4キロ付近でカッパを脱ぎ、ゴミ袋を持ったボランティアのおばさんに渡しました。
5~10km ( 21:59)
5kmを超えて、学園西大通りに出ると、道路が少し広くなり、混雑のストレスがなくなってきます。
走りやすくなり、ペースも 4'24 /kmになるように、意識して走ります。
そして、10キロ地点で最初のジェル、アミノサウルスジェル(01)を投入。
少し甘めですが、水はなくても大丈夫でしたね。
とても気持ちよく走れていますが、何となく脹脛や後頸骨筋に軽い張りを感じます。
序盤で水たまりを避けるために足を使ったせいだろうなと思いましたが、気にしないようにしました。
10~15km ( 21:46)
ここからは、ひたすら 4'22 /km を刻んでいきます。
しっかりテーパリングができて、疲労が抜けているせいか、身体が軽く、自分でもいい走りができている実感があります。
このときは骨盤からしっかり足に連動するような走りができて、いつもより自然にストライドが延びている感覚がありました。
直前にやってた、 ひたすら速く足を動かしていたペース走の時と比較して、全く必死感がありません。
そうだ、俺はこういう走りをしたかったんだ。
そう思えました。
身体の動きはよかったですが、ジェルを投入していたせいか、軽い吐き気が早くも訪れました。
吐き気、早いよ・・。
以降、ジェルを飲むのがとても憂鬱になってきます。
15~20km ( 21:49)
雨はほぼ降っていませんでしたが、シャツやアームカバーは濡れていたために、冷えが気になってきました。
シャツは乾くのを待つしかないですが、アームカバーはここで外します。
レースで手袋やアームカバーを外すと、体が軽くなったような気がして、とても気分がいいんですよね。
ここでも、ひたすら 4'22 /km を刻んでいきます。
ちょうど同じくらいのペースで走っているオジサンがいたので、しばらくついていきます。
昨年に比べれば疲労度は多少あるものの、この時点ではまだまだイケる感覚です。
20~25km ( 21:52)
20km地点で、アミノサウルスジェル(02) を投入します。
(ジェルには番号が振ってあって、一応順番通りに飲んでます)
そして、中間点(ハーフ)は、1: 32’ 26 (ネット) で通過します。
よし、想定通り!!
そしてまだ余裕はある。
このままイケるぞ。
この区間は少し向かい風だったかな?
しかもアップダウンがちょいちょい出てきて、つくばのコースでも楽ではない区間。
このときもほぼ同じペースの女性が少し前を走っていたので、距離を空けられないよう意識して走ります。
結果として、ほぼ 4' 22 /km を崩すことなく刻むことができましたが、この後の結末を考えると、少し自重してもよかったかもしれません。
そして、25km地点で、初めてのモルテン(ジェル)を投入!
食感はジェルってより、水っぽいヨーカンって感じで、味は水あめっぽかったですね。
モルテンだからというわけではなく、レース中はジェル全般、胃が吸収できていない気がします。
そのせいか、ジェルを飲めば飲むほど、吐き気で「オエッ」 となります。
「オエッ」は空砲なんですけど、ダメージが大きい。
必ずその後はゼーゼーしちゃいます。
これがイヤで、もうこれ以降、ジェルをとるのをやめました。
ていうか、もうフルマラソンでジェルを飲むのをやめてみようかなと、本気で思います。
25~30km ( 22:11)
28kmあたりは登り基調のため、少し時間がかかっています。
坂を登りきると、感じたことのない不思議な浮遊感を覚えます。
なんだ、これ?
決して心地よいやつではなく、ちょっと不穏なやつです。
不安になってきますが、待ちに待ったスライド区間、そして応援ポイント なので、テンションが上がって、そんなことは忘れちゃいました。
「誰かいないかなー」と反対側を凝視しながら走ります。
すると、最初は ooi さんに気付いてもらい、エール交換。
ooiさん、元気そう!
今日でサブスリー達成しちゃいそうだな。
スライド前半はゆるやかに上りですが、テンションが上がりすぎていて、一時的にキロ415まで上がってしまってました。
おお、いかんいかん。
なんか、フワフワした感じ。
ちょっとペースを抑えます。
折り返して、スライド後半。
今度はHighさんが現れました。
お互い気づくことが出来て、声を掛け合います。
Highさんも余裕ありそうだ。
(Highさんは後方ブロックからのスタートなので、実際はこの時点では僕より速かったのかもしれない)
そして、スライド終了間際の沿道には、カナ先生が。
カナ先生がここで応援してくれてるのは知っていたので、そろそろかなと思ってると、
「けんちゃーん!!」
カナ先生が先に気づいてくれてバカでかい声をかけてくれました。
まさに女神さま、いや聖母マリア!
カナ先生が撮ってくれた写真
カナ先生、応援本当に嬉しかったです。
ありがとうございます!
そして、その直後にはまっさん。
僕から「まっさーーーん!」
と声をかけると、
「ナイスラーン、 10分切れるよ~」
とエールをもらいました。
「いやいや、まっさん、俺は3時間5分を切るんだよ。10分切りは眼中にないよ」
そう思ったんです。
このときは。
しかし、このまっさんの予言(?)は見事に的中することになります。
30~35km ( 23:14)
それは、30キロ地点を超えてすぐのことでした。
腰から下がズシーーーン!と一気に重くなり、同時に右足のハムストリングスが攣りかけます。
え!? 攣っちゃうの??
メダパニを受けたかのように混乱しました。
僕は今まで、レースで足を攣ったことがないですし、ふくらはぎならともかく、ハムストリングスはレース後ですらも攣ったことがなかったからです。
攣らないようにスピードをグッと落とします。
一瞬、止まってしまおうかと思いましたが、ギリギリ止まることなく、走り続けることができました。
しかも、このときの下半身の重さときたら。
吉良吉影のシアーハートアタックが、エコーズAct3に重くさせられて前に進まなくなった感じです。(あ、これ分かりにくいですよね。ジョジョです)
これが、「脚が終わる」 って感覚なのか!
僕の場合、脚だけが重くなったり終わるってよりは、体全体が消耗してスピードがちょっとずつ落ちてくるパターンなので、この「脚が終わる」という感覚は初めて体験するものでした。
後から冷静に分析すると。
通常僕のようにピッチで走る人は、脚が終わるよりも体全体が消耗してペースが落ちて行くんです。
しかし、この日は
・序盤の水たまりで脚を使ってしまった
・本番パワーで体がよく動いたこともあって前半では自然にストライドが延びた気がした → 理想とする走りではあるけど、普段あまり鍛えていない筋力を使ってた。
ということで、先に脚が終わってしまったのだと思います。
足攣りの恐怖はもちろん、脚も重くてしょうがないので、一気にペースが キロ440くらいまで落ちてしまいます。
周りのランナーにもガンガン抜かれて行きます。
もう、3時間5分切りは 無理だ。
最初に掲げた目標は完全にここで諦めてしまいました。
35~40km ( 24:10)
ペースが落ちたこともあり、35キロ以降は、足攣りの不安は減っていきました。
しかし、脚は重くて動かないので、一度落ちてしまったペースを上げることができません。
そして、どんどん周りに抜かれて行くので、ペースを上げられない自分が情けなくて、かと言って奮い立つ何かがあるわけでもなく、気持ちの折り合いがつきません。
当初の目標は達成できないけど、できれば3時間8分は切りたい、…10分切りたい、と走りながら目標を下方修正しつつ、できるだけペースを落とさないように走り続けます。
キツくはありましたが、消耗感はなくて、不思議とゴールまでは長いとも思わなかったです。
ただ、脚が動かない。速く走れない。それだけ。
残り 3キロ地点で時計を見る。
残りをキロ5で走ったら、ギリギリ3時間10分を切れないことが判明。
うわ、やばい。さすがに10分は超えたくない。
そう思って、最後まで必死に手足は動かし続けます。
筑波大学構内に入って最後のスライド。
もう、ooiさんは先に行ってしまっただろう。
HighさんやRyoさんも見つからない。撃沈したのかな。
furuhon-yaさんは僕を見つけてくれたらしいのですが、僕は気付けず。
そんなことで、ちっとも楽しくないスライド区間が終了。
陸橋の最後の上り。
攣るなよ!ってことだけ祈りつつ上ります。
1キロを切って、周りのランナーも最後の力を振り絞ってる。
僕もラストくらいは上げようと思って、少しペースを上げる。
トラックに入って、時計の掲示板を見ると、ああよかった、10分は切れそう。
ゆるいラストスパート。
ゴールラインを跨いで時計を停める。
くそう。全然だめだったな。
つづく。